NTTアイティ株式会社 MeetingPlaza電網会議室サービス
県内の14医療機関をMeetingPlazaで結びへき地医療を担う医師の日常診療や生涯教育・研修を支援

地理的格差是正の手段となるへき地医療情報ネットワーク
高知県へき地医療支援機構
専任担当官
高知医療センター
地域医療科 科長
医師 澤田 努氏
高知県へき地医療支援機構
専任担当官
高知医療センター
地域医療科 科長
医師 澤田 努氏
 少子高齢社会を迎えるわが国にあって、高知県は高齢化率が高く、医療・保健・福祉の分野において高齢化社会への対応が重要な課題になっている。また、県中央部の高知市に医療機関が集中する一方、県内に48カ所の無医地区(27市町村)、15カ所のへき地医療診療所および12カ所のへき地出張診療所があるという。

こうした県の医療事情の中で、「へき地医療に従事する医師をいかに確保するかが大きな課題になっており、へき地医療を支援する組織体制の整備が欠かせません」と、高知県へき地医療支援機構(以下、支援機構)の専任担当官、澤田努氏は述べる。県内のへき地医療拠点病院からへき地診療所への代診医師の派遣や、無医地区の巡回診療の調整、へき地医療従事者への研修プログラムの作成、情報システムのデータ登録、管理など、へき地医療支援事業の総合的な企画・調整が支援機構の役割である。

へき地診療所に勤務する医師は1〜2名のため、なかなか休みが取れず、高知市内などで開催される勉強会に参加する場合、その間、無医地区になることから、学会への参加を見合わせる医師も少なくない。また、一人の医師が地域住民の診療を担うため、診断が難しい症例の場合もあるという。「こうした診断の支援や遠隔地からの勉強会への参加など、へき地医療に従事する医師に対し、距離、時間などの地理的格差を是正する手段となるのがへき地医療情報ネットワークです。ブロードバンドネットワークを介して鮮明な映像の交換、人と人とのリアルなコミュニケーションを実現するものです」(澤田氏)。
ファイル共有とMeetingPlazaでへき地診療所の遠隔診断を支援
 へき地医療情報ネットワークは、最大2.4Gbpsの高知県新情報ハイウェイを基盤に、県内5カ所の拠点病院と9カ所のへき地診療所が10Mbpsの回線速度で接続され、2004年から稼動を開始している。(図1)

図1:へき地医療機関を結びWeb会議やファイル共有で情報格差を是正する「高知県へき地医療情報ネットワーク」

症例などのファイル共有による情報の共有化や、患者のレントゲンやCT画像を共有しながら遠隔での治療方針検討の支援、拠点病院などで開催される勉強会へのWeb会議での参加、高速インターネットによる情報収集など、さまざまな用途で活用されている。

このへき地医療情報ネットワークで重要な役割を担うのがNTTアイティのWeb会議システム「MeetingPlaza」である。地域イントラネットであるへき地医療情報ネットワークをプラットフォームに利用することから、クライアント/サーバー型のシステム(ライセンスパッケージ)を導入している。

システムの選定、構築は、以前からISDN及び遠隔画像伝送などで高知県遠隔医療支援システムをサポートしてきたNTT西日本高知支店が担当。同支店がMeetingPlazaを支援機構に推奨した理由は、テレビ会議のみならず、ファイル共有やインターネットアクセスなどを1台のPC端末で行なえることや、MeetingPlazaの豊富な導入実績に基づく信頼性を評価したためだ。また、「レントゲン写真など特殊な映像の共有が必要になるため、カスタマイズに柔軟に対応できるシステムであることも選定のポイントになりました」と高知支店の担当者は述べる。

澤田氏は「へき地診療所や拠点病院は特別なソフトや大きな設備投資を必要とすることなく、一般的なPCとマイク、スピーカーを用意するだけで、Web会議システムを利用することができます。また、ブラウザからMeetingPlazaサーバーに接続すれば簡単に会議画面にログインできるので、診療所の医師はちょっと他の医師に相談したいときにもテレビ電話の感覚で手軽に使うことができ、安心感を得られます」と述べる。

広帯域のへき地医療情報ネットワークをプラットフォームとしてファイル共有とWeb会議をフルに活用。例えば診療所の医師が拠点病院の専門医にレントゲン画像の読影で助言を求める場合、診療所の共有ホルダーに当該画像を格納。専門医は診療所の医師と読影した画像を共有しながらWeb会議で所見を伝えるといった具合だ。

「ISDN時代は一枚の画像を送信するために時間がかかったり、画像を圧縮するために画質が落ちたりしていましたが、ブロードバンド化により、大容量ファイルのまま短時間に送信でき、画像も高精細なため読影の精度が向上しています。Web会議も映像が鮮明で、臨場感のある多地点会議が可能になりました。さらに、へき地診療所の医師と専門医が画像データなどを共有する際、ポインタで重要な箇所を指し示すことができ、読影のアドバスもより分かりやすくなりました」と導入効果を述べる。

へき地から救急ヘリ搬送や遠隔の勉強会でWeb会議を活用
澤田氏が勤務する高知医療センターでは、へき地医療拠点病院として広域救急ヘリ搬送に取り組んでいる。へき地診療所では対応できない救急患者に対し、付近の高知龍馬空港に駐機している救急ヘリに医療センターの医師が同乗、へき地診療所から医療センターまで患者を搬送する。その際、診療所の医師が患者のレントゲン画像などを医療センターに送信、患者の様子をWeb会議で伝えるなど、救急救命にへき地医療情報ネットワークをホットラインとして活用している(図2)。

また、高知医療センター/救命救急センターでは毎月、定例で医療機関や消防機関を対象に症例検討などの勉強会を実施。遠隔の診療所の医師をはじめ、消防職員も近くのへき地医療機関に設置されたテレビ会議で症例検討会に参加するなど、地理的、時間的な制約を解消している(図2)。

診療などで勉強会にテレビ会議で参加できない場合、MeetingPlazaの記録/再生機能(オプション)を用いて、あとから閲覧することも可能だ。「勉強会で使用する資料が共有ファイルに格納されており、医師は資料を参照しながらMeetingPlazaで音声を聴くだけでも大いに勉強になります」と澤田氏はその意義を述べる。

へき地医療支援機構ではへき地医療情報ネットワークを活用し、将来、県内の公的医療機関を対象に広域のWeb型電子カルテシステムを構築する構想もある。医師は電子カルテサーバーから患者の電子カルテをダウンロードし、診療内容や検査オーダー、処方などを入力してサーバーにアップロードすることで、へき地診療所でも低コストで手軽に電子カルテを導入することができ、またこのネットワークに参加する医療機関における病診連携では患者情報の共有も容易となる。

高知医療センターでは、入院患者のアメニティを高めるため病室でITを利用できる環境を整備。今後、入院患者の家族が近くのへき地医療機関のWeb会議を利用して遠隔で見舞えるようにする構想もある。さらに、他のへき地診療所や県の福祉・保健所がへき地医療情報ネットワークに接続する計画もある。高知県のへき地医療の支援体制が広がる中、コミュニケーション手段としてMeetingPlazaは欠かせない存在となっている。

図2:高知県へき地医療支援機構におけるMeetingPlazaの活用例
MeetingPlazaの詳細情報はこちら s01
MeetingPlaza

User Profile
高知県へき地医療支援機構
開設 2003年4月
所在地 高知市丸ノ内1-2-20
高知県・健康福祉部 医療薬務課内

高知県における広域的なへき地医療支援事業の企画・調整などを担い、へき地医療にかかわる各種事業を円滑かつ効果的に実施することを機構の目的としている。
http://www.pref.kochi.jp/~iryou/sienkikou.htm


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